【第57回】★復刻Ⅱ⑦★ 【子供を「学習生無力感」にしていませんか?】
「学習性無力感」という言葉があります。マーティン・セリングマンという心理学者が提唱した考え方です。
こういう実験があります。犬を逃げられない状態にして何十回も電流を流す。犬は逃げよう、逃げようとするけれども、どうしても逃げられない。そのうちに自分は逃げようとしても無理だと分かり、甘んじて電気ショックを受け続けるようになる。最後には、逃げられるように鎖を解いてやっても逃げなくなる。これは犬の実験の例ですが、ここで何が証明されたかというと「いろいろな事をやってみたけれど、私じゃだめだ。何をやってもだめなんだ」というあきらめを学習しているんです。その結果、「学習性無力感」が出てしまうのです。
こういった子供に、どうやって学習をやらせたらいいのでしょうか?そこで、「ダメだ」と感じてている子供にやってはいけないことが2つあります。それは、①ご褒美でつることです。勉強=物 という図式が子供の頭の中に完成すると最後の踏ん張りがきかなくなります。2つ目は、②頭ごなしに叱ることです。自分の中に諦めが出ていることを子供は分かっています。自信喪失しているわけです。そこで「何であなたはできないの」と言うのが一番危険です。自分と他人から攻められたらもう終了です!
子供に質問するときは、「なんで」は×です。「なにが」を使って下さい。例えば、「あなたはなんで片付けられないの?」と聞くと本人の能力を責めることになります。しかし「何が原因で片付けられないの?」と聞けば自分ではない部分が問題になります。言葉一つで、子供のやる気を一気に削ぐ可能性があるのです。ご注意下さい⚠