【第7回】「学習生無力感」にしていませんか?
「学習性無力感」という言葉があります。マーティン・セリングマンという心理学者が提唱した考え方です。
こういう実験があります。犬を逃げられない状態にして何十回も電流を流す。犬は逃げよう、逃げようとするけれども、どうしても逃げられない。そのうちに自分は逃げようとしても無理だと分かり、甘んじて電気ショックを受け続けるようになる。最後には、逃げられるように鎖を解いてやっても逃げなくなる。
これは犬の実験の例ですが、ここで何が証明されたかというと「いろいろな事をやってみたけれど、私じゃだめだ。何をやってもだめなんだ」というあきらめを学習しているんです。その結果、「学習性無力感」が出てしまうのです。
こういった子供に、どうやって学習をやらせたらいいのでしょうか?そこで、「ダメだな」と思っている人にやってはいけないことが2つあります。それは、①ご褒美でつることです。勉強=物 という図式が子供の頭の中に完成すると最後の踏ん張りがきかなくなります。2つ目は、②頭ごなしに叱ることです。自分の中に諦めが出ていることを子供は分かっています。自信喪失しているわけです。そこで「何であなたはできないの」と言うのが一番危険です。
子供に質問するときは、「なんで」は×です。「なにが」を使って下さい。例えば、「あなたはなんで片付けられないの?」と聞くと本人の能力を責めることになります。しかし「何が原因で片付けられないの?」と聞けば自分ではない部分が問題になります。お父さんとお母さんにお願いしたいことは、こういった状況の時は怒らないで、自信を取り戻させてあげて欲しいのです。
では、どんな言葉をかけてあげればいいのか。簡単です。「大丈夫、あなたは、私の子供なんだから(^_^)絶対できるよ」と言ってください。人には「承認欲求」というものがあります。人は誰かに認められることが一番のご褒美なのです。そのあとに物質的なご褒美をあげてください。